tatsuro1973の日記

歌舞伎、文楽、落語を中心に古典芸能について綴ろうと思います。それと日々の暮らしについてもです。

体験授業はあまりメリットがあるとはいえない。

塾の商売やっていてよく新規の生徒を獲得するためにお試しということで体験授業がたまに生徒を扱うことがある。

体験授業ははじめの一月ぐらいは無料でお試しでやってみてそれから入塾するかどうかきめるというシステムである。

これは最近なら大手ならどこでもやっている。

一回やそこらで生徒のくせや特徴をつかんでその生徒に合わせた授業ができるかといえばなかなか難しい。講師にしても生徒にしてもお互いにやりとりのなかで相手を知ろうとするので最初の授業で生徒のこころをつかめるかどうか、よほどのキャリアのあるこうしでないと大変なことかもしれない。

生徒と講師の信頼関係を作って成果を上げるには数カ月や一年はかかる。

自分は個別がメインなので、基本的に個別の生徒は基礎から作り上げていかないといけないので一カ月やそこらで結果が出せるとは言い切れない。

塾の業界も学者の世界でも共通して言えることではあるが、世間一般が学問に対して安くあればなんでもいいという考えがあまりにもはびこり過ぎている。

塾の講師が生徒に教えることが、野菜や肉などのスーパーで物が買えるような感覚でやられていることに憤りを感じないわけでもない。

政治家の言動を見ていると知性の劣化がはっきりと見えてくる。

それと、生徒にも保護者にも言えることかもしれないが、学問に対する、勉強に対しての無関心さが以前より増えている。

教育のシステムのずさんさ、高校受験は学力よりも内申書で行く高校が決められてしまう、それほど勉強しなくても学校はいける。

中学や大学はまだ、学力で進路が決められるところがあったが、大学は、ここ数年、指定校推薦、AO入試が主流になりつつあり、高校入試のように内申書で決まる流れができている。

塾を取り巻く環境も大きく変わってきているので、生徒を定着させるのは至難な時代になっている。

個人で塾講師でがんばっていくことにしんどさを感じないわけでもない。

いまいる塾である程度こなしつつほそぼそとやってはいるが毎年情勢が変わりやすいのでどうあるべきが考え込むことが多々ある。

体験授業について大手の生徒獲得の都合でやり始めたことなので、だれかそろそろやめるように声を上げる時が来たのかもしれない。

塾側としても経営的にも体験授業は割の合う商売でもないし、来たとしても生徒を定着させるのはまた別のことである。

個別は勉強させるというか、水商売のような人気取りがものをいう世界である。