tatsuro1973の日記

歌舞伎、文楽、落語を中心に古典芸能について綴ろうと思います。それと日々の暮らしについてもです。

2月23日の日記 #歌舞伎 #市川団十郎

2月も後半になる。
あっという間である。
弁当屋の仕事をこなしていく。
掛け持ちの仕事、冬の寒さで思うようにブログの更新がままならない。
書きたいことは多々あるのですが。
歌舞伎で先日、海老蔵団十郎襲名に向けての演目が発表される。
五月は、勧進帳助六、六月は暫 勧進帳 七月は景清、押戻 助六と演目が並ぶ。
歌舞伎を見始めてから四半世紀以上になるが、役者の襲名はいくつも見てきた。
今回の襲名はどうもときめかないというのが正直な感想である。
3ヶ月もの襲名興行というものはそうなく、過去に12代目の団十郎勘三郎の襲名位である。
助六勧進帳が2回づつというのは海老蔵の役者としての器量のなさを感じなくもない。
勘三郎の場合は盛綱、大蔵卿 娘道成寺 籠釣瓶 髪結新三、研辰と新作、古典とバランスよく
役者の気概を感じた。
仁左衛門の場合は、吉田屋、寺子屋、熊谷 助六 封印切 でしかり。
海老蔵の場合、自分の世界に引きこもっているという印象が否めない。
助六勧進帳を2回するくらいなら、時代物、世話物のどちらかを一本ずつ演じることができなかったのかと感じる。
実力と人気もそれなりにあるのだからなんとかならなかったのかと感じている。
話は変わって3月の歌舞伎座吉右衛門仁左衛門が新薄雪物語の通しで伊賀守と兵衛、白鷗が夜の部で石切梶原、沼津で平作をやるのには
驚く。本来は重兵衛を演じることが多く、八十を前にこのチャレンジは驚かされる。
国立では菊之助義経千本桜、知盛、権太、忠信の三役を演じる。
千本桜の三役は立役で言えば卒業論文ともいわれるくらい、役者に多彩さ、柔軟さを求められる。
知盛は菊之助にはニンではないし、酷評されている。
それをまた挑戦していくのには驚くほかない。
3月の歌舞伎は興味深い。
比べて 団十郎の襲名の味気無さを感じてしまう。