日韓関係は複雑です。
ニューヨークタイムズのイアン ブルマの日韓関係についてのコラム
最近の日韓関係の悪化で識者のオピニオンなどを眺めていて読んだなかでは一番バランスの取れた記事です。
日韓関係がもめやすいのは3つくらいあって、一つは歴史的な関係と地政学、二つ目は韓国の国内事情が絡んでいる。
歴史的な関係でいえば韓国、朝鮮半島は古代から中国との関係が深い。それはいまでも変わることはない。中国の意向次第で韓国や北朝鮮の日本への姿勢が変わってくるのだ。中国の日本への反日姿勢はいまは緩みこそあれ、基本的には反日が中国共産党の国是でありこれを否定することは共産党自体を否定することになるので変わることはない。この中国の動きで朝鮮半島の動きが変わってきている。
近現代における日本の中国、朝鮮への進攻はこうした極東のパワー関係が絡んできている。いまはこれに戦後にアメリカが加わっている。
第二次世界大戦後の世界の秩序を作り上げたきた冷戦の構造はいまだに朝鮮半島では続いている。実際には朝鮮戦争は休戦協定を結びこそあれ終わってはいない。
二つ目の韓国の国内情勢も日韓関係に深い影を落としている。
いまの韓国の文在寅政権は、前の朴クネから引き継いだ左派政権である。
基本的には韓国は前政権を現政権が否定、弾劾していくことで政権を維持しているところがある。前の朴クネ政権の従軍慰安婦などの合意を否定したり、徴用工問題なども前政権を否定している韓国政治の流れからいえば当然いえばしかりである。
韓国の政治は日本の法による秩序というよりは国民の意思によって秩序が動いているところがあってこれによって韓国の対日政策が変わりやすいところがある。
元韓国大使であった武藤正敏さんによると韓国人には自分のやっていることは正しい、正義であり 相手も同じように考えているところがあって日本人には理解しにくいところがあると指摘している。
自分も個人的にはいまの日韓関係の韓国側の動きにはうんざりしている。
従軍慰安婦の問題は国家による強制から女性への性暴力に論点がすり替えられているし、従軍慰安婦問題から韓国側の出方を見ていても、日本側の対応に対して、別の論点、すり替えていくことによって日本を糾弾していく、この構図がここ四半世紀くらい変わっていないし、今後も変わることがなさそうである。
韓国側の出方を見ていると解決するというよりもいまの状況を維持していきたいという考えが見え隠れしてならない。
日本側としては距離をおいて関わる、少し冷却期間をもうけたいというのが本音であるし自分のなかにもそれがある。
無理にはかかわりことはない。それが日本側の本音であるが韓国側は本来なら歓迎すべきことなのが、逆にどうするんだとざわついている。
日本政府のスタンスを支持するこれがいまの私の考えである。