tatsuro1973の日記

歌舞伎、文楽、落語を中心に古典芸能について綴ろうと思います。それと日々の暮らしについてもです。

10月歌舞伎座

f:id:tatsuro1973:20190925122618j:plain

注目としては昼のお祭り佐七と三人吉三の通しになる。

お祭り佐七は町火消と芸者の恋模様を描いていく。

前半は二人の仲睦まじいところから、恋人小糸の愛想づかしから殺しへとストーリーが進んでいく。江戸っ子の短気でカーッなりやすいと芸者の粋で鉄火肌なところをみせるのがポイントかと思われる。原作は三世河竹新七であるがもとは南北の本町糸屋娘がもとになっている。

佐七に菊五郎 小糸が時蔵が演じる。

三人吉三は黙阿弥の傑作中の傑作である。

三人の同じ名前の吉三が大川端の出会いからさまざまな因果に絡まれながらも自分たちの生きる価値を求めていく、自分探しの旅といったところです。

これにおとせ十三郎の兄妹相姦、和尚の父伝吉の因果話が加わって三人吉三の業の深さを感じる。

三人吉三でお嬢吉三は女形が演じるので、弁天小僧、これは立役が演じる のでしぐさが少し異なる。そのあたりも注目してもらえれば歌舞伎の面白さがわかってくると思われる。

序幕の大川端は三国志の桃園の誓いのパロディ、お嬢とお坊の恋模様は八百屋お七のパロディである。作品がこれはどこのパロディかを見つけていくことは歌舞伎を奥深く知るうえではいいです。

和尚を松緑 お坊を愛之助 お嬢を 松也と梅枝が交互に演じる。